神戸でJavaソリューションを手がけるソリューション・ベンダー、IAJ社(I Am Javaの略)は、ボーダフォンのVアプリを用いた法人向けJavaソリューションを手がける会社である。
Vアプリのオープン化に伴い同社がスタートさせたモバイルソリューション「M4B」は、携帯アプリを用いた出退勤管理システムだ。
現在、すでに20社近くの企業での導入実績を誇る。
携帯WEBを用いた出退勤ASPは今までにもあったが、同社では、アプリを用いることによって、WEBより通信コストが低減できること、操作が簡略化できるなどアプリの優位性を主張する。
従来、ゲームなどが中心と見られてきた携帯アプリの世界で、法人ソリューション分野で先鞭をつける同社の取り組みをレポートする。




「現在、M4Bの導入企業は20社程度です。業種はさまざまで、訪問販売業、派遣業、アウトソーシング、食品販売業等幅広い業種でご利用いただいています」と語るのは、アイ・エイ・ジェイの松本成夫氏だ。

同社が提供する、Vアプリを用いた出退勤ASPソリューションの「M4B」は、今年からサービスが提供されている。すでに20社ほどの導入実績があるとは好調な滑り出しである。同社の事例からは、まだ「時期尚早」だと考えられがちな携帯Javaアプリを使った法人ソリューションも、内容次第では十分に市場があることが窺い知れる。

同社の勤怠管理システムはおおまかに二種類の用途を想定している。一つには、派遣社員やアルバイターなど、非常勤のスタッフの勤怠管理ツールとしての用途、そしてもう一つは主に営業マン、派遣社員の営業(派遣)活動など、外勤スタッフの管理である。勤怠管理としては、タイムカードの役目を果たすほか、フランチャイズ店舗などでアルバイトやパートスタッフに対して、勤怠をセンターから集中管理するような機能も持たせることができる。

営業ツールとしては、訪問活動履歴や訪問先の営業報告など、営業日報をデジタル化する役割も含まれている。普段ならば、会社に戻ってワープロなどでレポートすべき内容を、携帯電話の機動性を活かして、外からリアルタイムに報告できるようにしたわけだ。

具体的な導入事例を紹介しよう。ファッションアクセサリーや雑貨を扱う有限会社キララでは、当社のM4Bを活用して、2002年7月中旬より、M4B勤怠システムを導入している。

 同社では、M4Bで、自社オリジナルブランドショップ7店舗や本社に勤務するアルバイトや社員の出勤・退勤管理、有休申請処理などを行なっている。書類ベースで給与処理を行なっていた頃に比べて、M4Bで勤怠情報と給与処理を連動させたことで事務処理の大幅な効率化を実現されたという。また、バーゲンなど繁忙期におけるスタッフの稼働状況を正確に把握することで、今後、時期に応じた効率的な人員配置も可能になっているという。こうした効率化は、同社にに大幅な経費削減効果をもたらしたとのことだ。今後、同社では低コストでレスポンスのいいVアプリを活用して業態を広げ、他業種とのコラボレーションをも実現し、ニュービジネスモデルづくりを目指すとしている。



同社の松本氏によると、既存のWEBやメールを使った勤怠管理システムに比べ、アプリでの提供にはいくつかのメリットとデメリットの両方があるという。

「メリットとしては、まず、アプリのほうが直感的でシンプルなインタフェースでスムーズな操作がしてもらえることです。このあたりは機能をカスタマイズできるアプリが有利と言えるでしょう。また、WEBベースよりも通信費用が低く抑えられることもメリットとなります。(松本氏)」一方、デメリットもないわけではない。まずはWEBに比べ、まだまだユーザー側の認知度が高くないことだ。そして、アプリ対応機種が現時点では限られていることもマイナス要因だろう。

ただし、これらのデメリット要因は、ユーザーの認知が向上し、アプリ対応機種が増えてくれば、いずれは解消していく問題でもある。そうすれば、今度はアプリの優位性がクローズアップされてくるはずだ。

 松本氏によれば、今はゲーム中心に展開する携帯アプリも、将来は「必要不可欠」、というよりも、「ごく当たり前」になるだろうと主張する。アイ・エイ・ジェイがあえてVアプリでの法人ソリューションに先鞭をつけようとしているのも、こうした将来を確実だと考えるからこそである。



セミナーでは、特に聴衆からの積極的な質問も多かったアイエイジェイ松本社長のプレゼンテーション。実際のケータイアプリの画面もプロジェクターに表示され、同社M4Bシステムの優れたユーザーインタフェースなどを聴衆も実感することができたようだ。また、「どのように企業にケータイアプリを訴求したのか?」という問いには、「携帯のアプリにPCと同じような機能を期待する人も多いが、ケータイはテレビのリモコン程度としか思っていない」と言うように、携帯電話ならではの使い勝手を上手にアピールしたことも勝因として語っていた。

また、セミナーに先立つメール取材で、「キャリアに望むことは?」との問いに、アイエイジェイの回答として、「ケータイをフルに操作可能なアプリ技術情報の開示」と応えていたのが印象的だった。端末固有の情報へのアクセスはセキュリティ上も難しい問題があるが、こうした意見からは、「もっとアプリを活用し尽くしたい」という同社の強い意欲が感じられた。 (取材・文:三田隆治)

(約630KB)

セミナー紹介へもどる



Copyright(C) Spicysoft Corporation All rights reserved.