携帯キャリア各社が新しく発売する端末の多くはJavaアプリ標準搭載だ。
3キャリア合計で4000万台の大台になんなんとするアプリプラットフォームだが、「しかし、実際のユーザー利用率はまだまだ低いのではないか」と疑問を呈するのは、アルファテクノロジーアンドコミュニケーションズ社の児山部長だ。
アプリは、暇つぶしのためのゲームなどがいまだに圧倒的多数を占め、あえて必要な機能とは言えないと同社は考える。
そこで同社が出した結論は「インスタントメッセンジャー」というコミュニケーションアプリの分野だった。
3キャリアすべてに対応した同社のJavaアプリ「αメッセンジャー」は、清涼飲料水などの販促キャンペーンに使われたほか、現在は無償アプリとして消費者に直接配布もされている。
同社は今後も可能な限り多くのユーザがアプリをダウンロードできる環境を整え、サービスを展開していきたいとしている。




「ブラウザフォンはいまや、企業と消費者を結びつけたり、見込み顧客を新たに発掘するためのCRMツールとなっています」 とアルファテクノロジーアンドコミュニケーションズの事業開発本部長 児山亮氏は語る。「しかし、電子メールやブラウザなど、標準搭載の機能だけでは、その役割を十分に果たしているといえるかどうかは疑問です(同氏)」

同氏によると、迷惑メールなどの社会問題、それに伴う企業発の「メール不達」という問題、それらが企業にとってのCRM機会の損失を招いており、そして何よりも、「よりリッチなコンテンツを」という消費者の欲求に対して、既存のブラウザフォンだけでは、十分にCRMツールとしてのその役割を果たすことはできないという認識が、同社をアプリビジネスに向かわせるキッカケとなったという。確かに一般サイトでのメールマガジン配信ビジネスなどでは、ドメイン指定受信などの迷惑メール対策によって、配信数に大幅な打撃を与えているというデータもあるようだ。

同社が考えるJavaアプリの位置づけとは、既存のブラウザフォンでは、十分でない点を補完・補填するための手段であったようだ。「企業には新たなビジネスチャンスを創り、ユーザーにはより一層の楽しみを提供する(同氏)」という企業と消費者のwin-winな関係を補強するためのツールとしてJavaアプリがあるというのが同社の認識だ。

こうした認識に基づき、同社がASPアプリとして展開するのが、携帯電話専用のインスタントメッセンジャー(以後「IM」)サービス「αメッセンジャー」だ。まだ実例の少ない「3キャリア対応」を実現した同IMサービスは、ケータイIMの世界ではパイオニア的存在でもあり、すでにいくつかの事業者によってノベルティや消費者向けサービスとして提供がなされている。

「αメッセンジャー」は、3キャリア対応。アプリによってキャリアの垣根を越えたコミュニケーションが実現可能だ。メールとの大きな違いとしては、「プレゼンス機能」が挙げられる。「移動中」「ひま」「仕事中」などなど、登録されたユーザーの状態をリアルタイムで確認することができる。メールよりも、より進化した「コミュニケーションリッチ」な手段であると言えるだろう。また同サービスは、特定のユーザー層にターゲットを絞り込んでの情報配信も可能。IMアプリは、利用する時点で、確実にユーザーへの配信についてパーミッション(許諾)が取れるので、より効率的なCRM手段になると同社は考えているようだ。また、αメッセンジャーは、最新の「2.0」では、画像交換機能や待受け機能にも対応。より高レベルのコミュニケーションをアシストするツールとなっている。

同社は、αメッセンジャーをあくまでASPの手段として提供しており、自社が事業主体となってのサービスを行うことについては、明確に一線を引いている。「あくまでASPサービスとして企業などにIMサービスを提供することが弊社のミッション(児山氏)」という発言からは、あえて事業対象を絞ることで、同社のコンピタンス(競争力)を明確にしていこうという姿勢が感じられた。




αメッセンジャーは、3キャリア対応というメリットもあり、すでに企業の販促ノベルティとして活用された実績もある。「今年の春から9月までの間、清涼飲料水のノベルティとして活用していただきました。若者向けの商材であったことが、IMの主要ユーザー層である若年層にもマッチしていたと思います(同氏)」

児山氏によると、それらのキャンペーンからは、興味深い利用動向データが得られたという。「まず、実際にはシェアがそれほど高くないはずのJ−フォン(現ボーダフォン)で、ユーザー数が多かったことが印象的です。やはり、ボーダフォンさんが、ゲームなどの分野で『アプリを使う』というカルチャーを培ってきたことは大きいのではないかと感じました(同氏)」

また、IMの男女比などのユーザーデータにおいては、販促商材の性質にも左右されるところが大きいが、αメッセンジャーは男女比率もほぼ同数だったというのも興味深い。アプリといえばゲーム、ゲームといえば男の子といったイメージがあるが、やはりケータイアプリに関しては、予想以上に女性の利用率は高いといえるのではないだろうか。
また同社では、モバイル系レップ(広告代理店)に対して、無償でダウンロード可能なIMサービスも提供している。今後は、広告発信の新たな形としてもIMは脚光を浴びることになっていきそうだ。

アルファテクノロジー社は、今後も「ゲームの次にくるもの」という位置づけで、携帯アプリ事業を考えていきたいとしており、その中で、「コラボレーション」を重要なキーワードとして掲げている。「アルファテクノロジーは、コンテンツホルダー、流通企業、そして消費財メーカーの三者のコラボレーションによる付加価値創造をASPサービスなどによってアシストする役割を実現していきたいと考えています(児山氏)」今後の同社の「インスタントメッセンジャーASP」というチャレンジ、そして次なるキーワード「コラボレーション」が具体的に、どのようなビジョンとして我々の前に姿をあらわすことになるのか期待したい。



同社のIMソリューション「αメッセンジャー」は、現在、一般ユーザーでも無料で利用する機会があるので、興味を持たれた方はぜひとも実際にご自分でダウンロードして試していただきたい。一つは、メディアレップ・ジェーピー社が提供しているコンシューマ向けIMの「待ち受けメッセンジャー」(αメッセンジャーのOEMネーム)。URLはhttp://machiuke.jp/。もう一つは、リクルートの携帯向けサイト「GO-ON(ゴーン)」で昨年の7月14日よりASP提供されている。URLはhttp://mo-on.com/ どちらも無料でダウンロードすることができる。

セミナーでは、飲料メーカーのキャンペーンとして、同アプリを提供したところ、コマーシャルも打たずに「2週間で1万4000ダウンロードがあった」とのエピソードも披露された。同社は、今後もOEMないしはASPをベースに「αメッセンジャー」を提供していく方針としている。(取材・文:三田隆治)

アルファテクノロジーアンドコミュニケーション

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